「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜足のむくみは危険?〜

「足が最近むくんできた」「足に靴下の跡がついて嫌になる」という、患者の皆さんが連日、診察室にいらっしゃいます。「両方」の足のむくみは、健康な人でも一日中立っているだけで生じます。また、高齢になると、短時間立っているだけでもむくみやすくなってきます。一過性で、病気ではないことがほとんどです。

しかし、「片足」だけが急にむくんできたといった場合には緊急性があります。さらに、「息が苦しい、胸に違和感がある」など「胸の症状」を伴っている場合には、直ちに病院に駆け込んでください。この場合、足の静脈に血栓(血の塊)ができ、静脈血の流れが悪くなり、足がむくみ、さらに、血液の流れに乗って血栓が肺の血管まで飛び、肺塞そく栓せん症しょうを引き起こしている可能性があります。いわゆるエコノミークラス症候群です。

最近では、震災の時に長期間同じ姿勢でいるため、足に血栓が生じて、突然死に至るケースが増えています。予防としては、脱水を避け、長時間同じ姿勢を取り続けないようにすることです。また、血栓の原因として、悪性腫瘍、血液の疾患など重大な病気が隠れていることもあります。

「片足のむくみ」が出現した場合は要注意です。


内科診療部長 木下 正樹