「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜高齢者と熱中症〜

地球温暖化や節電を目的とした冷房の自粛、さらには人工的な排熱などによる都市部での異常高温のため、近年熱中症が増加しています。軽症ではこむら返りや失神発作程度で済みますが、重い内臓障害を伴う重症型では3人に1人が亡くなります。

また独居高齢者と老老介護の家庭へは第三者の目が行き届きにくく、室内の高温多湿が放置されるため、高齢者が住居内で、日常生活中に発症することも最近の特徴です。

熱中症対策は高温多湿を避け水分と塩分を補給することに尽きます。高齢な方は温度変化を感じにくいため、温度と湿度が目に見えるように湿度計付き温度計を設置し、気温28度以下湿度60%以下となるよう、目標を明確にして室内環境を整えましょう。
また喉の渇きを感じにくく水分補給が不十分なことも高齢な方の特徴なので、定時的に水分を摂取する習慣を身に付けましょう。持病のため水分と塩分の制限が必要な方はかかりつけ医に相談してください。

熱中症は高温多湿な環境さえ避ければ100%予防が可能です。熱中症を正しく理解し早期に対策を立て、来たる暑熱の夏に備えましょう。

院長 前川 正知