「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜胃がんで命を落とさないために〜

今や日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで亡くなる時代です。1960年代には、がん死亡数の半分弱を胃がんが占めておりその比率は徐々に減少しましたが、いまだに年間5万人弱の方が胃がんで命を失っています。

胃がん死亡数減少の理由には衛生環境の改善、禁煙の普及、ピロリ菌感染の減少や除菌による胃がん自体の減少、さらには手術、内視鏡治療、抗がん剤などの治療法の進歩、そして検診の普及による早期発見、早期治療の効果などが挙げられています。

胃がん検診にはバリウムによるレントゲン検査と胃内視鏡検査がありますが、どちらにも死亡率を減少させる効果が確認されています。最近では胃内視鏡検診を受ける方が多くなっており、金沢市の検診では9割以上の方が内視鏡検診を受けています。

検診で発見される胃がんの80%以上が早期がんで見つかっており、毎年の検診を受けることによって手遅れにならず助かる確率が高くなります。早期に発見できれば内視鏡手術や腹腔鏡手術など、より体への負担の少ない治療で治すことができます。

胃がんで命を落とさないためにまず検診を受けることをお勧めします。

外科 副院長 高畠 一郎