「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

がん切除に威力

超音波といえば一般的には魚群探知機が知られています。人体でも全く無害で苦情もないことから、母胎の赤ちゃんの動きや心臓弁の働き、あるいは肝臓・腎臓などの病気の発見に利用されていることをご存じの読者も多いことと思います。今回はこの超音波装置を超小型化した「超音波内視鏡」についてお話しします。
最近、胃や大腸などの早期がんに対し、お腹を切らずにカメラの画像を見ながらがんを取ってしまう「内視鏡的切除術」が多く行われるようになりました。

しかし、すべてこの方法で取りきれるものではありません。この方法を選択するかどうかは、カメラで見たその所見と医師の経験から判断していましたが、がんが残っては大変です。

そこでカメラの中に径2mmぐらいの細いチューブを通し、その先端に組み込まれた超音波を使ってがんの大きさや深さをより正確に知ることができ、治療方針を決める場合に極めて有用になりました。

なおカメラでがんを取るためには、大きさや深さのほか、形状に限度があります。従って、症状が出ないうちに毎年検診を受け、早期発見することが最も大切であることは言うまでもありません。