「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜尿が出にくいと感じたら〜

前立腺肥大症は中年から高年の男性が発病します。 高齢化社会になり、患者数は増加しています。

前立腺は男性のぼうこうの出口にくっついた臓器で、青年期にはくるみ大の大きさで、その中心を尿道が通っています。 中年以降、次第に前立腺が大きくなって尿道を圧迫するために症状が出てきます。
尿の勢いがない、トイレに行っても尿がなかなか出てこない、排尿後に残尿感があってすっきりしない、就寝後に何度も目が覚めてトイレに通う、 などの症状があります。

放置すると前立腺がどんどん大きくなり、ある日突然、尿が出なくなって救急車で病院に運ばれることになります。 ここまで放置すると尿路感染症や腎機能不全などの合併症もおこります。

治療では、初期には症状を改善させる有効な薬があり、継続して服用すると、多くの人は症状が軽快します。 しかし、服薬で症状が改善しない人や重症の人は内視鏡手術が必要で、比較的安全な手術によって短期間の入院で完治します。

また、前立腺肥大症と前立腺がんは別の疾患で、前立腺がんは住民健診で「PSA」の血液検査を受けることで早期発見が可能です。


泌尿器科 部長 宮ア 公臣