「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

期間限定のしみ、光で撃退 

(2008年3月24日(月) 北國新聞(丈夫がいいね)に掲載分)

この記事は、当院では現在対応しておりません。ご了承ください。

女性なら誰しもその恐怖と闘う日がやってくる。
いつの間にか、目の下や頬に、じわじわと広がる「しみ」である。とりわけ、三十、四十代の女性だけに発症するしみは「肝斑」と呼ばれ、医師の手を借りても「消せない」とされてきた難敵だった。

■ホルモンが影響
「ありますね、ここに。小さいのが」。金沢市の金沢有松病院皮膚科の美容外来で試しに診てもらったところ、ショックを受けた。
まだ三十代前半なのだが、竹田公英医長が虫眼鏡で観察すると、淡い褐色の点が頬骨の上に見えるという。
肝斑は額や頬骨、口の周囲に左右対称に生じるのが特徴だ。中年以降の男女に発症する黒っぽいしみ「老人性色素斑」とは違い、肝斑の発症は紫外線に加えて女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」が関係する。
黄体ホルモンがしみのもとになるメラニンの生成を促すと考えられている。
竹田医長によると、生理周期に伴い、しみが薄くなったり濃くなったりすると訴る女性もいるそうだ。
閉経を迎える五十代以降になると自然と薄まるため、「期間限定」のしみである。
とはいえ、黙って消えるのを待てばいいというわけにはいかないのが女心である。何とか消してほしいと皮膚科や美容外科などを訪れる女性は後を絶たない。
しかし、肝斑は一般的なしみに使われるレーザー治療を行うと、逆に色素沈着が進んでしまう危険があるので注意したい。
「老人性色素斑と誤診してレーザー治療を行い、しみを悪化させて訴訟になったケースもあるんです。肝斑は実に医師泣かせなのです」
そんな強敵を撃退する方法を竹田医長は、試行錯誤の末についに見つけた。特定の波長の光をしみにあてる「フォトフェイシャル」と呼ばれる治療法だ。特殊なフィルターで波長を工夫して照射すると、皮膚の新陳代謝が促され、皮膚の深部にあるメラニン色素が「垢」となって追い出される仕組みである。
美容外来ではさらに、メラニンの生成を抑制する働きのあるビタミンCやEをイオン化して肌に浸透させる治療法も行う。美白剤の飲み薬や塗り薬を用いればさらに相乗効果が得られる。「もうファンデーションを厚塗りしなくて良くなった」と喜ぶ女性を竹田医長は何人も見てきた。

■紫外線対策を
むろん、医師の手を借りるばかりでなく、自分で紫外線対策に努めることも大切だ。日ごろから日焼け止めをつけて、肌を紫外線にさらさないようにする必要がある。せっかくフォトフェイシャルなどの治療を受けて肝斑が消えても、放置しておけば再発の憂き目に遭うからだ。
「美は一日にして成らずですよ」と竹田医長はくぎを刺す。毎日のちょっとした心掛けが欠かせない。