「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜進歩する「脱腸」の治療〜

(2013年2月2日(土) 北國新聞 健康よもやま話に掲載分)

ソケイヘルニアという病気をご存知ですか?
俗に脱腸とも言われ、脚の付け根が膨らんでくる病気です。

先天的に出やすい所や筋肉の抵抗の弱い場所から、内臓脂肪や腸が皮膚の下まで出てきてしまう病気です。
最初のうちは痛みがなく、トイレや力仕事で息んだ後などに膨れます。
男性ではい陰嚢の方まで腫れてくることもあります。
腸などが挟まってしまうと突然の腹痛、吐き気などが出現し、腸閉塞を起こしたり腸が腐ったりして命に関わることもあります。
このような緊急事態になる前の痛みのないうちに手術を受けることが大切です。

以前の手術は自分の筋肉を使って補強していましが、最近は人工の布で補強する方法が用いられるようになりました。
これにより、再発率が低下し、術後の痛みも少なくなりました。

さらに最近進歩した腹腔鏡を使った手術では、小さい傷からカメラで直接ヘルニアの脱出部位を確認して補強できるため、治療の確実性、痛みの軽減、早期退院などに更なる期待が掛っています。