「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜爪の変化(下)  白濁は水虫感染に注意〜

(2013年5月31日(金) 北國新聞 丈夫がいいねに掲載分)

夏本番が近づき、手足の指先のオシャレを楽しみたくなる季節となった。しかし爪が健康でないと、オシャレどころではない。

金沢有松病院皮膚科の竹田公信医長によると、爪の病気で最も多いのが「爪白癬」と呼ばれる水虫。足の指の間にできた水虫が、爪に広がり、爪の白濁、変形、爪がボロボロになる、といった症状が現れる。
爪の水虫は、高温多湿の梅雨や夏場に増える。感染が手の爪に及ぶと、いろんな場所を触るため、水虫の広がる可能性が大きくなる。体にうつると「たむし」、頭にうつると脱毛の原因にもなり、家族ら周囲への感染が広がる恐れがでてくるため「手の爪の水虫は、特に治療を急いでほしい」と竹田医長は話す。


■間違った切り方
爪の悩みでは、巻き爪も多い。
爪の端がとがって皮膚に突き刺さる「陥入爪」と、爪が丸まって皮膚に食い込む「彎曲爪」があり、いずれも爪の切り方が間違って起きるという。
竹田医長によると、薄ピンク色の部分に沿って白い部分を丸く切り落とすのは、誤りだそうだ。深爪も、もちろんだめ。
白い部分を1ミリ程度残し、白い四角い形にするのが、理想の爪の切り方なのである。
特に巻き爪になりやすいのが足の親指。ハイヒールなど先のとがった靴や、サッカーなど足に負担のかかるスポーツが巻き爪の原因となることも多い。
巻き爪が皮膚に刺さると、少しの刺激で激痛が走るほか、ばい菌に感染し、指が腫れる恐れもあり、歩くのにも支障がでてくる。
あまりの痛さに、自分で爪を切ってしまう人が多いが「さらに陥入し、かえって悪化させてしまう」(竹田医長)という。
巻き爪は、爪が伸びるのを待って正しく切ること、ハイヒールなど外的要因を取り除くことで次第に解消される。その間は、爪と傷の間に綿を挟むなどの工夫が必要となる。

■つけ爪でトラブル
このほか、女性に増えているのが、つけ爪によるトラブル。
爪に負担が掛って、爪の剥離や二枚爪、割れなどが起きやすい。乾燥によって爪が割れやすくなるといい、保湿剤を使うなど日頃のケアが欠かせない。
「たかが爪と思われがちだが、一度トラブルが起きると治療に時間がかかる。爪の果たす役割を理解し、爪と上手に付き合ってほしい」と竹田医長。
爪のオシャレは、まず爪の健康からというわけだ。