「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜尿管結石の除去 開腹はほぼ不要〜

腰部の左右に腎臓があり、腎臓で作られた尿は「尿管」と呼ばれる細い管で、下腹部の膀胱まで運ばれてゆきます。
腎盂内に知らない間に出来た結石が腎盂の粘膜から外れて尿管に詰まってしまうと、尿が膀胱へ通過しなくなり、腎臓が腫れて(水腎症と言います)脇腹から腰部に突然激痛が走ります。

その激痛が尿管結石症のためであると診断されれば、生命に別状はなく、治療を専門医に任せれば完治します。
小さな結石は多量の水分摂取で自然に膀胱まで落下して、排尿とともに排出してしまいます。
大きな結石は尿の通過障害を起こし、水腎症が進行して腎機能が悪化するため治療が必要です。

私が医師となった40数年前は開腹手術で結石を摘出していましたが、現状では衝撃波によって破砕したり、内視鏡で破砕したりします。 開腹手術はほとんどなくなりました。
健康診断や人間ドックで自覚症状のない腎結石や尿管結石が見つかりますが、治療の必要性については専門医にご相談ください。

(北國ドクターズクラブ会員・金沢有松病院泌尿器科・金沢市)