「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜実は怖い消化性潰瘍〜

「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」という病気をご存じでしょうか? 胃酸により胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍を形成する病気で、あわせて「消化性潰瘍」と呼んでいます。胸焼けやみぞおちの痛み、潰瘍からの出血による黒色の便等が主な症状です。

原因として、飲食や喫煙、塩分の過剰な摂取やストレス、お薬の副作用等が挙げられます。
最近ではピロリ菌という菌が胃内で慢性的に感染を起こすことで危険性が高くなることが知られています。

消化性潰瘍は時に大出血を起こすことがあります。場合により胃カメラによる止血術や開腹手術を必要とします。潰瘍が深くなり、胃や十二指腸の壁に穴があくと、急性の腹膜炎を起こすこともあります。最も重い症状であり、原則的に緊急手術が必要です。

早期に発見された消化性潰瘍はお薬による治療でほとんどが治癒します。異常を感じたら早めに胃カメラでの診断を受けて治療を開始しましょう。ピロリ菌感染が背景にあれば、除菌することで再発を予防できます。

(北國ドクタークラブ会員・金沢有松病院 外科 曽我 真伍)