「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜尿の検査で症状を診断〜

■急性膀胱炎と過活動膀胱

一般的に膀胱炎と言われているのは、大腸菌やブドウ球菌などの細菌感染によって発病する「急性細菌性膀胱炎」です。

主な症状としては頻尿、排尿時痛、尿意をもよおすと我慢できなくなる尿意切迫感などがあります。身体の構造上、成人女性の方が膀胱炎の発病頻度が高くなります。

一方、膀胱炎とは似て非なる病気で、「過活動膀胱」があります。女性や少年期には昼間や目が覚めているときだけ頻尿や尿意切迫感を訴えて、眠ると症状がおさまります。

逆に高齢の男性では、前立腺肥大症などを合併し、昼間はあまり頻尿がないのに、眠ると何度も排尿に目が覚める「夜間頻尿」があります。

いずれの場合も治療は、まず尿の検査から始まります。検査の結果、炎症や細菌があれば急性膀胱炎と、感染がなければ過活動膀胱と診断されます。この二つの病気を鑑別するには尿の検査が欠かせないことを覚えておいてください。

急性膀胱炎の治療に必要な抗菌剤は、医師の処方箋がないと、薬局では購入することができません。最寄りの医院で診察を受けましょう。

泌尿器科 宮崎 公臣