「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜ヒートショックにご用心〜

ヒートショックという言葉をご存じでしょうか? 温度の急激な変化による、血圧の急上昇や急下降、脈拍の変動が体に及ぼす悪影響のことで、脳卒中や心筋梗塞、不整脈、失神など深刻な病気や事故につながります。 高血圧や動脈硬化のある人、高齢者は特に注意が必要です。

血圧は血管の収縮や発汗の程度により、寒い所で上昇し、暑い所では下降します。 家庭では居間は暖かく、脱衣室と浴室は寒いのが一般的です。 そのため暖かい居間から寒い脱衣室や浴室に移動して裸になった時に血圧は上がり、浴槽で体が温まれば下がります。 浴槽を出て体が冷えれば再び上昇と、血圧は乱高下し、心臓と脳に負担をかけます。

対策は温度差を小さくすることです。脱衣室は暖房をかけ、シャワーでお湯を張り浴槽のふたは開けておく、 高齢者は一番風呂を避ける、夕食前に入浴する、などです。

ヒートショックによる死亡者は年間1万人を超え、交通事故死亡者数を上回ります。大相撲元大関若嶋津の二所ノ関親方の事故も、サウナでのヒートショックが原因と報道されています。 入浴時には居間と脱衣室、浴室の温度差をできるだけ小さくして、ヒートショックを防ぎましょう。


内科 院長 前川 正和