GreenLightレーザ療法(PVP)について
GreenLightレーザ療法(PVP)による前立腺肥大症の治療のご案内
■下記のような症状でお困りはありませんか?
〇頻繁に尿意をもよおす、特に夜間(夜間頻尿)
〇尿の出が弱い
〇急に尿意をもよおす(尿意切迫)
〇尿を出したり、止めたりするのが困難(排尿躊躇)
〇膀胱内の尿をすべて排出できない(残尿)
〇排尿時にいきむ必要がある
〇排尿時に痛みを伴う など
当院泌尿器科では、この度、最新の前立腺肥大症の治療として、グリーンライトレーザー療法(PVP)を導入しました。
GreenLightレーザ療法とは、内視鏡(膀胱鏡)を用いて尿道から小さな光ファイバを通して行う手術です。この光ファイバから高出力レーザを照射し、前立腺組織を蒸散させることで尿路のつまり(閉塞)を取り除くという治療法です。患者さんの多くが、すぐに自然に排尿できるようになり、症状が緩和されます。
GreenLightレーザ療法は、副作用が少ないだけでなく、伝統的な手術療法である電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)と同等の有効性が得られます。
前立腺肥大とは何か?
まず、前立腺は、男性の膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいる分泌腺です。
尿道は、膀胱から陰茎に尿を運ぶための管で、尿路とも呼ばれます。前立腺の主な働きは、射精時に精子を運ぶ精液を作ることです。
そして、前立腺肥大症とは、良性の肥大であり、がんではありません。前立腺は通常、十代でクルミくらいの大きさまで成長します。中年期にさしかかると、前立腺が再び成長(肥大)を始めることがありますが、この理由は明らかになっていません。男性の約80%が、80 歳になるまでに前立腺肥大症を発症すると言われており、その症状は、多くの高齢者にみられます。
GreenLightレーザ療法(PVP)の特徴
〇手術後早期に尿の流れが改善される
〇比較的早期に通常の生活に戻れる
〇出血が少ない
〇勃起障害の報告は1%未満
〇カテーテルの留置が短期間
GreenLightレーザ療法(PVP)のよくあるご質問
Q 前立腺肥大症はがんの一種ですか?
A 前立腺肥大症はがんの一種ではありません。
Q GreenLightレーザ療法は、性機能に影響しますか?
A 術前に勃起障害のない患者さんの場合は、治療後、手術に起因する勃起障害はみられませんでした。
Q 症状改善までにかかる時間は?
A 患者さんの多くが、すぐに症状の緩和を感じられ、手術後48時間以内に尿の流れの改善を実感されます。しかし、病歴・健康状態・その他の要因により、症状の回復が影響される可能性があります。
Q GreenLightレーザ療法で治療後、前立腺肥大症の薬を継続して服用する必要はありますか?
A ほとんどの方は服薬の必要がありませんが、他の薬剤同様、適切な投薬計画については担当医にご相談ください。
Q どのくらいで仕事に復帰できますか?
A 多くの患者さんが数日で通常の生活に戻っています。術後2週間は、激しい運動を避けてください。ただし、状況や程度は患者さんによって異なるため、担当医の指示に従ってください。
Q 効果はどのくらい持続しますか?
A GreenLightレーザ療法では、術後すぐに効果があらわれ、5年間はその効果が持続されるとの臨床報告があります(術後5年までの経過観察データによる)。
Q リスクはありますか?
A 主に見られる副作用は次のとおりです。
血尿、尿意切迫感、頻尿、ヒリヒリ感、逆行性射精など。
なお、ごく稀に尿に大量の血が混ざる、真っ赤な血が見られる、38 度を超える熱がある、悪寒・体が震えるなどの症状がある場合はすぐに医師にご相談ください。
■国際前立腺症状スコア(IPSS)
どれくらいの割合で次のような症状がありましたか | 全くない |
5回に1回の割合より 少ない |
2回に1回 の割合 より少ない |
2回に1回 の割合 くらい |
2回に1回 の割合 より多い |
ほとんど いつも |
スコア |
この1ヵ月の間に、尿をしたあとにまだ尿が残っている感じがありましたか | |||||||
この1ヵ月の間に、尿をしてから2時間以内にもう一度しなくてはならないことがありましたか | |||||||
この1ヵ月の間に、尿をしている間に尿が何度もとぎれることがありましたか | |||||||
この1カ月の間に、尿を我慢するのが難しいことがありましたか | |||||||
この1カ月の間に、尿の勢いが弱いことがありましたか | |||||||
この1ヵ月の間に、尿をし始めるためにお腹に力をいれることがありましたか |
0回 |
1回 |
2回 |
3回 |
4回 |
5回以上 |
スコア |
|
この1ヵ月の間に、夜寝てから朝起きるまでに、ふつう何回尿をするために起きましたか |
国際前立腺症状スコア |
■合計スコア
0〜7:軽度の症状 8〜19:中程度の症状 20〜35:重度の症状
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
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