各部門紹介(薬局の豆知識)


薬の豆知識

◎かぜといえば葛根湯?
葛根湯はかぜだけでなく肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みの時にも服用します。
かぜの初期に比較的体力のある人で鼻炎、咽頭炎、発熱、悪寒があるが汗がでてこない時期に用いられ、インフルエンザにも効果があります。
また、胃腸が弱い人は葛根湯を用いると胃腸障害がでやすいので注意が必要です。
漢方では証が違えば使われる漢方薬は異なります。葛根湯の他にも麻黄湯、小青竜湯、桂枝湯、麻黄附子細辛湯、小柴胡湯、麦門冬湯、補中益気湯などいろいろな漢方薬がかぜの症状に使われています。

■かぜの症状でよく使用されている漢方薬と目安

葛根湯

首の後ろや背筋がぞくぞくしたとき(自然に汗がでないとき)
麻黄湯 体力のある人で、頭痛、悪寒、発熱があるとき
小青竜湯 体力は普通の人で、悪寒、発熱、鼻水、咳、痰を伴うとき
桂枝湯 体力がない人で汗をかいているとき
麻黄附子細辛湯 体力がない人で悪寒はするが発熱しない場合に(老人、冷え性の人に)
小柴胡湯 こじらせたかぜで、胃腸障害があり口の中に粘りや苦味があるとき
麦門冬湯 こじらせたかぜで、はげしく咳きこみ、痰がきれにくいとき
補中益気湯 かぜが長びき、体がだるくて食欲がないとき

◎甘草による副作用に注意!!
漢方薬に多く使われている甘草という生薬は、過剰に摂取すると、甘草の成分であるグリチルリチンの副作用によって、偽アルドステロン症(浮腫、高血圧、低カリウム血症)をおこすことがあります。
グリチルリチンは構造上ステロイド骨格を持ち、鉱質コルチコイド様作用として腎臓に働き、ナトリウム再吸収の促進、カリウムの排泄の増加を起こします。
医療用漢方148品目の中で、甘草が含有されているものは109品目あります。当院でもよく処方される、かぜによく使われる「葛根湯」、筋肉痛に使われる「芍薬甘草湯」など、多くの漢方薬甘草が含まれています。
こういった甘草を含む漢方薬を数種類一度に服用すると甘草を多く飲みすぎてしまいます。高齢者では1種類でも甘草を多く含む漢方薬を長期に服用している場合は注意が必要です。

また、利尿薬ステロイド薬などを飲んでいる人は、この副作用を起こしやすいとされています。
その他甘草やグリチルリチンには多くに一般用医薬品のかぜ薬や胃腸薬などに生薬として配合され、食品の甘味料としても多く使用されています。
この副作用を予防するには初期症状(手足のしびれ、全身倦怠感、筋肉痛、血圧上昇、むくみなど)を見逃さないことが大切です。



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